巻き上げた消費税どこへ 30年間ウソばかりついてきた政府「日刊ゲンダイ」

巻き上げた消費税どこへ 30年間ウソばかりついてきた政府「日刊ゲンダイ」

 

 日本銀行の試算によれば、現役を退いた高齢夫婦の生活費は年金だけでは賄えず、ざっと1500万円の貯蓄が必要になるらしい――。

 これは1988年に、あるワンルームマンション会社が監修して出版された本「パートナーシップ」の一節だ。ネタ元だった同社の幹部にいただいて、思うところがあり、大切に保管してきた。

 どこまでも宣伝のための本なので、年金制度を充実させなければ、とは続かない。だから皆さん、当社のマンションに投資して、安心な老後に備えましょう、とくるわけだ。

 どこかで聞いたふうな話ではないか。そう、例の“2000万円問題”とまったく同じのような。

 消費税は本の出版の翌年、89年に導入されている。“高齢化社会への対応”が喧伝され、その後も社会保障の充実やら安定化やらが掲げられては、3から5、8%と増税が重ねられ、ついには10%の税率大台に乗ることにされた経緯は周知の通り。